東京電力福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しが作業準備中のミスで中断した問題で、東電が9月2日にも経済産業省に原因や再発防止対策を報告する方向で調整していることが30日、関係者への取材で分かった。報告後、国の了承を得た上で、近く取り出し作業を再開する見通し。
この問題を受け、斎藤健経済産業相が中断した翌日の23日、東電の小早川智明社長を経産省に呼び、原因の究明と今週中の報告を求めていた。斎藤氏は30日の関係閣僚会議後の記者会見で「準備ができ次第、近日中に報告を受けたいと考えている」と発言していた。
東電は作業初日や事前の準備作業の従事者だけでなく、機材の操作訓練などに関わった作業員も聞き取り対象に加えて調査している。作業ミスは、デブリ取り出しに着手する22日の準備作業中に、作業員が取り出し装置を原子炉格納容器の貫通部に押し込むパイプの接続順が違っていることに気付いて判明した。