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地域と共存できるように… 保護猫の譲渡、TNR活動に理解を

09/04 10:20

「不幸な猫を減らしたい」と活動に取り組む上野さん

 猫に優しい社会をつくりたい―。浅川町の上野邦江さん(68)は、飼い主のいない猫の面倒を見る保護活動に取り組んでいる。優しいまなざしを見せながら「不幸な猫を一匹でも多く減らしたい」と意気込む。

 「TNR活動」尽力

 上野さんは譲渡活動に加え、野良猫を捕まえて不妊手術を施し、繁殖を制限する「TNR活動」にも尽力している。東日本大震災の後、白河市にTNRを専門とする動物病院が開院し、上野さんは業務を手伝う傍ら、2012年から個人で保護活動を始めた。

 「飼い主が病気にかかって世話ができない」「多頭飼育で適切な管理ができなくなった」。上野さんが猫を引き取る理由はさまざまだ。劣悪な環境に置かれた猫について「衰弱して命を落とすのはとてもかわいそう」と語気を強める。

 若い世代から激励

 活動を続けている中で、一部の人から「野良猫が増えてしまうから餌をやるな」「放っておきなさい」などと批判を受けることもあった。しかし、くじけずに取り組みを続けた。「野良猫が減った」との住民の声や、保護猫を飼いたいと希望する若い世代の声などに励まされているからだ。

 これまでに譲渡してきた猫の数は200匹以上。現在は自宅で15匹ほどを保護している。「地域と猫が共存できるように頑張っている。活動を理解してもらえたらうれしい」。餌代などの活動費を賄うため、アルバイトにも精を出すなど猫の手を借りたいほどだが、その顔には充実感がにじんでいる。(小山璃子)

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