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フラガールのショー継続 米ファンド高評価「最重要コンテンツ」 常磐興産TOB開始

09/11 10:00

スパリゾートハワイアンズで毎日上演されているフラガールのショー

 米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループが出資する法人が10日、スパリゾートハワイアンズを運営する常磐興産(福島県いわき市)を対象に株式公開買い付け(TOB)を始めた。第1回公開買い付けの期間は10月24日まで。常磐興産はTOBに賛同しており、11月に始まる第2回の公開買い付けを経て同グループの完全子会社になり、上場廃止となる予定。

 子会社化後も引き続きハワイアンズの運営を担う常磐興産は、ハワイアンズの目玉の一つであるダンシングチーム「フラガール」のショーをこれまでと変わらず実施していく予定だ。同社によると、親会社となる同グループはレジャー施設やホテルの運営に強みがあり、フラガールのショーをハワイアンズの「最重要コンテンツ」として高く評価しているという。

 同グループはまた、国内最大手のゴルフ場運営会社アコーディア・ゴルフ(東京都)を傘下に有しており、ハワイアンズのゴルフコースの運営にノウハウを生かす方針を示している。

 同社によると、TOB発表前の6日時点の同社の時価総額は約110億円。同グループは約140億円を投じて買収する。同社の2024年3月期連結決算は売上高148億8100万円(前期比10.8%増)、純利益9億3400万円(同44.7%増)で2期連続の黒字を確保していた。だが、同期末の有利子負債は299億円に上り、同グループの子会社になることで設備投資資金を確保することにした。

 地域との共存維持を

 フォートレス・インベストメント・グループによる常磐興産の買収の発表から一夜明けた10日、地元経済団体からは引き続き地域との共存を維持するよう要望する声が上がった。

 いわき商工会議所の小野栄重会頭は「企業が勝ち残っていくための挑戦で、その経営判断を尊重したい」とした上で「地域に根差した経営、地域との良好なコミュニケーションを継続してほしい」とコメントした。

 いわき観光まちづくりビューローの大場敏宣会長は「常磐炭礦時代から地元と密接な関係を保ってきたので憂慮しているが、地域との共存は維持してくれるだろうと理解している。今後の動きを注視していく」とコメントした。

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