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銅板屋根に願い事を…相馬・涼ケ岡八幡神社、地震被害でふき替え

09/19 08:40

修理工事が行われている亀齢社の屋根の前で、銅板を手にする遠藤宮司

 相馬市の涼ケ岡(すずみがおか)八幡神社は、例大祭に合わせ20日から、2022年の最大震度6強の地震で被害を受け、修理工事を実施している境内の亀齢社(きれいしゃ)(国指定重要文化財)について、屋根を覆う銅板に名前や願い事などの記入を受け付ける。同神社は「書き込むことをきっかけに、文化財の修理に関心を高めてほしい」としている。

 同神社は昨年11月から2027年9月まで、地震で被害を受けた本殿など、国の重要文化財に指定されている7棟の保存修理事業に取り組んでいる。1695(元禄8)年に建造された亀齢社の工事では、部分的に解体し、痛みが激しい部材を新しい木材などで補ったり、屋根の銅板をふき替えたりする。工事の過程では、屋根周辺に黒漆や金箔(きんぱく)など当時の色彩が見つかった。現在はほとんど色あせているが、建造された当時は「相馬日光」と呼ばれるにふさわしい荘厳な姿だったという。

 屋根の銅板は、全体で約300枚。1口3千円の寄進で名前などを記入できる。受け付けは来年1月までで、その後、屋根に敷き詰められる。同神社によると、ふき替えられた銅板は、50年以上風雨に耐えることができ、社殿を保護するという。

 遠藤盛男宮司は「名前を長く残すことができる貴重な機会。多くの方に協力をいただきたい」と話している。亀齢社の工事完了は来年6月の予定。問い合わせは同神社(電話0244・36・4342)へ。

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