東京電力福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しが再び中断した問題で、東電は26日、取り出し装置の先端付近にあるカメラ2台の外観を確認したところ、目立った異常は見られなかったと発表した。これまでも異常が見つかっていないことから原子炉格納容器内の非常に高い放射線がカメラの半導体に影響したと推定し、放射線影響の比較的少ない場所でカメラの電源を入れたり切ったりして復旧するかを確かめる。
東電は、格納容器の外にある収納箱でカメラの外観を確かめた。これまでのほかの調査でもカメラやケーブル、接続端子などに異常はなく、原因を特定できていない。
このため、カメラの電源を切った際に放射線の影響で電気が電子回路にたまった状態が発生、電源を入れた際に過剰な電流が流れて回路が停止したと考え、線量の比較的低い収納箱内で数日間にわたり放電する。カメラが復旧しない場合、カメラやケーブルの交換を予定しているという。
東電によると、カメラは累積4万9000シーベルトの放射線に耐えられる設計で、カメラの映像が確認できなくなった17日の作業時で約6000シーベルト蓄積したと推定される。
試験的取り出しは準備作業を行っていた17日に装置先端付近のカメラ2台の映像が確認できなくなり、中断した。装置にはカメラが4台あり、ほかの2台は正常に作動している。
東電は14日に先端付近のカメラで撮影した画像を公開した。東電によると、2019年の調査時と大きな変化はなく、デブリや堆積物が見られたという。
また、2号機の建屋内で起きたタンクの水位低下に関して、10月初旬にドローンを使った調査を行う。