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「世界一の只見線に」 全線再開通から2年、子ども会議光るアイデア

10/01 09:00

鉄道模型「リゾートしらかみ模(ぶな)編成」を前にする杏さん(左)と淳紘さん。「世界一応援される只見線に」と意気込む
只見線周辺の間伐材を活用して作られた名刺入れ

 新潟・福島豪雨で被災したJR只見線は1日、全線再開通から2年を迎える。只見町内外の小中学生有志でつくる「只見線こども会議」は、只見線の利活用促進に向け、さまざまな活動を展開してきた。節目を契機に、メンバーは「みんなで協力して、さらに只見線を応援していきたい」と決意を新たにしている。

 こども会議は昨秋の発足以降、JR只見駅の待合室でのクリスマス飾り、キャンドルを使った列車の出迎え、車内での七夕飾りなど自分たちのアイデアを次々に形にしてきた。

 メンバーの角田杏さん(只見中2年)は「簡単にできることから取り組んでいる。実現が難しそうなことでも、計画を工夫しながら挑戦していきたい」と意気込む。

 目標の一つに掲げるのが豪華列車「リゾートしらかみ」の運行実現だ。署名活動をしたほか、誘致の雰囲気を盛り上げようと、親交のある桐蔭学園(神奈川県)鉄道研究部に手紙や動画を送った。「リゾートしらかみの模型を作ってほしい」。部員は只見線振興の思いに賛同して製作し、完成品が同町で9月28日に開かれたイベントで披露された。

 こども会議の角田淳紘さん(明和小4年)は模型を見て「細かいところまで手が込んでいる」と喜び「只見線が復旧して、にぎわいが続いている。協力してくれる人を増やしながら、地域のにぎわいを継続させていきたい」と力を込めた。

 「JR山手線などには乗客数では負ける。しかし、世界一応援される路線なら目指すことができる」と角田杏さん。「国内外に魅力を発信して、世界一応援される只見線にしたい」と意欲を燃やしている。(富山和明)

 間伐材活用し名刺入れや皿

 JR只見線の全線再開通2年に合わせ、金山町観光物産協会は1日、新しい土産品を発売する。全線での運行再開に伴い、線路周辺で出た間伐材を活用し、金山、三島両町の木工職人が手作業で名刺入れと皿に加工、製品化した。

 名刺入れは6500円、皿(直径約26センチ)は6千円。金山町のJR会津川口駅にある町観光情報センターで購入できる。問い合わせは同協会(電話0241・42・7211)へ。

    ◇

 只見線の1キロ当たり1日平均乗客数 JR東日本によると、会津川口―只見間で2023年度が103人。新潟・福島豪雨で被災する前の10年度は49人だったため、倍増した形だ。通学などの日常的な利用が戻ったことに加え、各種PR事業が奏功。「絶景の秘境路線」と知名度が高まり、観光客数を伸ばした。


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