第78回国民スポーツ大会(国スポ)第3日は7日、佐賀県で各競技が行われ、福島県代表でウエイトリフティング成年男子89キロ級の浪越晴太郎(日大、福島工高卒)がスナッチで145キロ(2位)、ジャークで171キロ(4位)を記録し、トータル316キロで2位だった。
同競技ではほかに、成年男子81キロ級の宍戸大輔(BLACK SHIPS、福島工高卒)がスナッチで147キロをマークして1位となり、ジャークの178キロ(5位)とのトータル325キロで3位に入った。同96キロ級の山川良太(石倉新聞店)はトータル292キロで7位だった。
レスリングの成年男子グレコローマン97キロ級の今村太陽(あさひ)(泉北小教)は3位入賞を果たした。
痛みに耐え、貫いた挑戦
初めて国スポの成年枠で出場したウエイトリフティングのホープが確かな足跡を残した。成年男子89キロ級の浪越晴太郎(日大、福島工高卒)はスナッチ、ジャークともに好成績を収め、堂々のトータル2位。「程よい緊張感で波に乗れたのが良かった」と充実感をにじませた。
メダルの色以上に求めたのは自己記録の更新だった。練習で蓄積した疲労によって生じた左肩甲骨付近のけんびきの痛みもあり、状態こそ万全ではなかったが熱意を失うことはなかった。
スナッチの自己ベスト145キロに対し、1回目から140キロを選択するなど終始攻めの姿勢で臨んだ。ジャークの最終3回目は自己ベストを1キロ更新する176キロに設定し、結果こそ伴わなかったが「ウエイトを楽しみ、挑戦する気持ちだけは貫けた」とうなずいた。
同じ大学の先輩である近内三孝(みつのり)(ビッグワンアスリート、田村高卒)が引退を決意した。浪越は「強さや人間性を含め尊敬している」とし、近内が前日に日本新記録で金メダルを獲得したことについて「最後の大会を同じ色のメダルで飾れなかったのは心残り」と吐露した。
浪越はこれからの目標に、ジュニア89キロ級の日本記録(スナッチ150キロ、ジャーク186キロ)の塗り替えを掲げる。ジュニア年代の区切りは20歳で、6月で成人を迎えた浪越にとって今年は最後の機会になる。「いずれはジャークで200キロ達成したい」と尽きることのない向上心をさらなる飛躍につなげていく。(小野原裕一)