原爆で命を奪われた父親が、図書館で働く娘の前に現れて言う。広島であんなにむごい別れが何万もあったことを覚えてもらうため、おまえは生かされている。「人間のかなしいかったこと、たのしいかったこと、それを伝えるんがおまいの仕事じゃろうが」(「父と暮せば」新潮社) ▼この芝居の作者、井上ひさしは原爆の投下について「自分の作ったもので自分が存在しなくなるかもしれない。そうした構造が、あの瞬間に地球上に...
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