ガンダムの安彦良和さん、桑折にルーツ 半田銀山を舞台、新作に意欲示す

11/12 10:00

登壇した安彦さん(左)と佐々木さん。後ろのスライドは安彦さんが描いたイベントのポスターの一部。半田銀山で働いていた安彦さんの曽祖父の様子(スライド画像の右端)が描かれている=10日、桑折町

 アニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインや、古代史・近現代史をテーマにした作品で知られる漫画家、安彦良和さん(76)が10日、自身の曽祖父の出身地、桑折町で町主催の「半田銀山シンポジウム」に出席し、同地の銀山を舞台にした新作執筆への意欲を明らかにした。150年前に同銀山を再興した明治の実業家、五代友厚が準主役―など構想の一端も語られ、会場から大きな拍手が湧き上がった。

 半田銀山は現在の同町に16世紀末開かれ、戦後まで操業した国内屈指の鉱山。明治維新後閉山したが、五代の手で1874年に再興され、近代技術の導入で国内一の産銀高も記録した。シンポジウムは銀山再興150年に合わせ開かれた。

 安彦さんはこの日、半田山を望む半田沼や坑道跡を一般参加者らと初見学。シンポジウムでは梁川町(現伊達市)出身の声優、佐々木るんさんを聞き手に、曽祖父が明治時代、半田銀山で坑道などの図面を製作していた図面師だったルーツを語った。

 さらに安彦さんは、今回のため描いたポスター原画に、五代と共に曽祖父や鉱山経営に携わった地元の人物を描いたと説明。「(喜寿を前に)長編は描かないが短い作品は描く。先祖の話も面白い」「描くなら単行本1冊で五代がサブ(準)主役」「五代は足尾の鉱毒が表面化する10年も前に鉱害対策をした。きょうも半田山周辺の美しさに鉱毒問題はなかったのかと町の人に聞いたが、いろんな点で意味の深い土地だ」と語った。

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