任期満了に伴う只見町長選は19日告示され、現職の渡部勇夫氏(68)=1期=のほかに立候補の届け出はなく、渡部氏が無投票で再選を果たした。無投票になるのは2016年以来、8年ぶり。
渡部氏は医療介護の充実や防災防犯体制の強化、雇用維持、子育て、農林商工業の担い手確保を含めた人材育成の必要性を訴えた。
当選証書付与式は24日午前10時から町役場町下庁舎で行われる。任期は12月16日から4年。
只見線の全線再開通実現
【無投票の軌跡】只見町長選は、現職の渡部勇夫氏=1期=が無投票で再選を果たした。新潟・福島豪雨で被災したJR只見線の全線再開通の実現に加え、新型コロナウイルス対策など4年間の地道な実績が評価された形だ。
3月の町議選後に対抗馬擁立の動きがあるとの見方もあったが、雰囲気は低調だった。渡部氏は町議会の9月会議で立候補を表明。3人が出馬した前回2020年から一転、無風状態で告示日を迎えた。
町では、26年秋ごろに国道289号八十里越の開通を控える。新潟県への交通の便が向上することで、新潟の自治体との医療連携が進むと期待されるが、経済や観光の振興に向けては町として独自色を出すことも必要だ。渡部氏には、地域の在り方を見据えたバランス感覚が求められる。(南会津支局・富山和明)