福島県内企業、景況感が悪化 原材料費高騰で先行き不透明

11/21 08:30

 福島県経営者協会連合会が20日公表した雇用動向調査によると、会員企業の8月時点の景況感を示す業況判断指数(DI)はマイナス20・8で前年同期より9・1ポイント悪化した。本年度下期(先行き)もマイナス29・2となり、原材料費や仕入れ価格の高騰などで先行きが不透明の中、厳しい経営環境を強いられている現状が浮き彫りとなった。

 DIは「好転・良い」の割合から、「悪化・悪い」の割合を差し引いた数値。8、9月の調査に応じた会員企業206社から回答を得た。

 業種別DIは【グラフ】の通り。現況は「運輸・通信」がマイナス41・7と最も低く、「卸売・小売」がマイナス40・9、「非鉄・金属」がマイナス40・0と続いた。「電気・ガス・水道」は6・7で唯一のプラス。先行きは「建設」がマイナス42・4と最低で、「食料品・飲料」がマイナス37・5、「卸売・小売」がマイナス36・4。

 先行きが悪い理由として、「原材料費・仕入れ価格の高騰」が62・7%と最多で、「燃料・光熱費の高騰」が34・7%、「国内消費・販売量の落ち込み」が32・0%と続いた。

 原材料価格高などによるコスト上昇分を販売価格やサービス料金に転嫁している企業は77・6%。このうち上昇分の5割以上を転嫁できた企業は38・8%にとどまった。労務費コスト上昇分を多少なりとも価格転嫁できている企業は68・7%だった。

 価格転嫁が十分できない理由では、「同業他社が慎重」が26・9%、「発注者の理解を得られなかった」が23・1%だった。

 東北6県の調査では、現況のDIがマイナス17・9、先行きがマイナス30・6。

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