いわき市平字田町の繁華街で5月に発生した大規模火災の現場で、焼失したテナントビルの再建に向けた準備が進んでいることが25日、分かった。同市の不動産業システムがテナントビル1棟を建設するという。火災後のテナントビル再建は初めて。同社の遠藤宗忠社長は年明けごろまでの開業を目指しているといい、「田町はいわきで一番の繁華街。何としてもにぎわいを取り戻したい」と話している。
計画では、約1.3アールの敷地に木造2階建てのテナントビルを整備、店舗用に3~4部屋を確保するという。資金は金融機関からの融資で賄った。遠藤社長によると、火災前に同社のテナントビルに入居していたスナック1軒が入居を予定しているという。
同社が保有し、火災で全焼したテナントビルはすでに解体された。現在は砂利を敷き詰めて整地するなど再建に向けた作業が進む。近く、関係法令に基づき建築確認を受ける予定だ。遠藤社長は「田町は東京でいう銀座だ。いわき市のためにもいつまでも火災の跡が残っていては絶対に駄目」と話し、準備を加速させている。
対策チーム月末解散
内田広之市長は25日の記者会見で、関係部署や商工会議所などによる対策チームを今月末で解散すると発表した。全焼、半焼の計7棟のうち5棟が撤去済みか撤去中で、残る2棟も撤去の準備が進んでいることなどを踏まえた対応。今後は、関係部署や商工団体などが課題に応じて個別対応する。
火災の原因は調査中で、内田市長は「究明には時間がかかる」と説明。原因が特定できた段階で再発防止策を公表する方針。また市は同日、市道上に散乱していた火災廃棄物の撤去が完了し、歩行者の安全確保のために設置していたバリケードを撤去した。