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放蕩息子、骨董商の道 朝井まかて著「どら蔵」

2025/10/04 10:00

  • 有料記事
(講談社・2475円)

 江戸時代後期、天保の世。目利き自慢がたたって故郷大坂にいられなくなった、道具商の放蕩(ほうとう)息子どら蔵(ぞう)こと寅蔵(とらぞう)は、流れ着いた江戸で、知恵と欲が渦巻く骨董(こっとう)商の世界に飛び込む。  大筋は、若者が才能を頼りに孤軍奮闘する物語だが、侮るなかれ。どら蔵が怪しい師匠らに放り込まれるのは、中を見ず蔵ごと入札するなどというヤバめの現場や、富山の薬売りの助手など意図の不明な仕...

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