政府は今年秋の叙勲受章者を3日付で発表した。受章者は桐花大綬章2人、旭日章935人、瑞宝章3026人の計3963人。このうち女性は427人で全体の10. 8%。民間人は1910人で48.2%を占めた。
県内では、旧民主党政権で経済産業副大臣などを務めた増子輝彦元参院議員(78)が旭日大綬章に決まるなど旭日章21人、瑞宝章52人の計73人が受章した。本籍が福島県の県外受章者は10人、かつて本県で勤務するなどしたゆかりの受章者は8人だった。
大綬章は天皇陛下、重光章は高市早苗首相が11日に皇居で授ける。県内の地方自治分野の小綬章以下と厚生労働省関係の中綬章以下の受章者への伝達式は5日に福島市で行われる。
復興は「天命」全身全霊
増子さんは郡山市出身。早稲田大商学部卒。県議1期、衆院3期を経て2007年の補選で参院に転身。旧民主党の副代表や旧民進党幹事長、旧国民民主党幹事長代行などを歴任した。16年の参院選では旧民進から野党統一候補として出馬、閣僚だった自民現職を破り3選を果たした。その後の野党再編では新党に加わることはなく、22年の参院選に出馬せず事実上政界を引退した。
3度の落選を経験しながら国政の第一線での活動は20年以上にわたり、民主系の要職を歴任。民進党幹事長の際には旧国民民主党の結成も主導した。
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後は本県復興を「天命」とし、進展に全身全霊を傾けた。参院東日本大震災復興特別委員長も務め、国会で復興政策を巡る審議を主導。第1原発で発生する汚染水の抑制に向けた取り組みや、中小企業の再建につなげる支援策の制度構築などにも深く関わった。
現在も自身が22年に設立したシンクタンクの活動を通じ、復興の課題に向き合っている。受章を「政治活動を支えてくれた県民や共に復興を進めた仲間を代表しての受章だ」と謙虚に受け止め「今後も全力で復興に取り組む」と誓う。
