日銀が1日発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)は、代表的な指標である大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)がプラス13と、3月の前回調査から2ポイント上昇した。改善は2四半期ぶり。素材産業を中心に値上げが進展したのが大きい。認証不正問題に伴うダイハツ工業の生産停止の影響が和らいだことも関連産業の景況感を押し上げた。
大企業非製造業のDIはプラス33と、引き続き高水準ながら1ポイント下落した。悪化は2020年6月以来、16四半期(4年)ぶり。小売業を中心に原材料費や人件費の高騰が足かせとなった。
内閣府が1日発表した1~3月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)再改定値は、実質で前期比0・7%減だった。年率換算では2・9%減となり、改定値の1・8%減から下方修正した。マイナス成長は改定値と同様2四半期ぶり。
日銀短観の製造業のDIは全16業種のうち9業種が改善した。自動車は1ポイント下落のプラス12だった。認証不正問題がトヨタ自動車やマツダに広がったことが懸念された。