海上自衛隊の複数の護衛艦で特定秘密のずさんな取り扱いが確認されたとして、海自トップの酒井良海上幕僚長が引責辞任する意向を示していることが6日、政府関係者への取材で分かった。防衛省は内部部局や陸海空3自衛隊の特定秘密の運用状況を調べており、近く結果を公表し、幹部を含む複数の関係者を処分する方針。
防衛省は今年4月、海自の護衛艦「いなづま」で、特定秘密保護法に基づき、秘密を扱う公務員らの身辺を調査する「適性評価」を経ていない隊員1人を特定秘密の取扱者に指名していたと発表。特定秘密を取り扱う任務に当たらせていたとして、幹部自衛官4人を停職や減給の懲戒処分とした。
防衛省は他にも同様の事案がないかどうか、内部部局と3自衛隊などを対象に調査を開始。その結果、海自の複数の護衛艦でも特定秘密の運用で不適切なケースが確認されたという。
適性評価は過去の処分歴や薬物乱用の有無のほか、飲酒の節度や経済状況について調べ、特定秘密を扱っても漏えいの恐れがないかどうかを確認する手続き。