世界的システム障害、混乱収束へ 基幹インフラに打撃、脆弱性露呈

07/20 17:18

 システム障害で青一色となった空港のスクリーン=19日、米ニュージャージー州(ロイター=共同)

 【ニューヨーク共同】世界的な大規模システム障害は、運輸や金融といった基幹インフラに打撃を与えたほか、病院や政府機関にも影響が出て、20日も余波が続いた。原因となったセキュリティーソフトを提供する米IT企業クラウドストライクは「前例のない規模」の復旧作業を急いだ。19日に航空便の欠航があった日本国内の空港では20日、おおむね通常通りの運航に戻り、混乱は収束に向かった。

 障害は米IT大手マイクロソフト(MS)の基本ソフト(OS)ウィンドウズ搭載のシステムで発生。クラウドストライクのソフトの更新プログラムにあった欠陥が原因だった。大規模障害はITサービスを一握りの企業に頼る脆弱性をあらわにした。

 パリ五輪選手団の到着便に影響したほか、米国の一部で緊急通報にも影響が出た。19日のニューヨーク株式市場では主要な株価指数が下落し、クラウドストライクの株価は前日比で11%以上急落した。

 クラウドストライクのソフトは、サイバー攻撃への先端的な対策とされ、各国の名だたる大手企業が採用しており、影響が広がった。

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