中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)は、最低賃金を全国平均で時給1054円とする案を軸に最終調整に入った。審議会小委員会で労使の調整を担う公益委員が、現在の1004円からの引き上げ目安額を50円とするよう提案した。物価高騰や春闘の状況を反映させる狙い。実現すれば時給、上げ幅とも過去最大。複数の関係者が23日明らかにした。審議会の小委員会は同日、目安額を巡って大詰めの協議を始めたが、労使の合意には至らず、24日午前に再び協議する。
最低賃金は47都道府県それぞれで設定する仕組みで毎年度改定する。目安額は、経済情勢に応じ都道府県をA―Cの3区分に分けた上で区分ごとに示す。目安額を参考に、都道府県単位の地方審議会が8月ごろ実際の改定額を決定。10月以降、順次適用される。
現在、最も高い東京都(1113円)と最も低い岩手県(893円)で220円の差がある。地域格差の行方も、改定の注目点だ。