【パリ共同】26日のパリ五輪開会式で、派手な女装の「ドラァグクイーン」らがレオナルド・ダビンチの名画「最後の晩餐」のパロディーを演じたとされる場面に、極右政治家らから「キリスト教への侮辱だ」などと猛烈な非難の声が上がっている。式典は多様性を意識した進歩的な演出で、フランスのマクロン大統領は国民の「誇りだ」と擁護。論争は尾を引きそうだ。
開会式のパロディーでは、ドラァグクイーンのグループやトランスジェンダーのモデルのほか、ギリシャ神話の神ディオニュソスに扮した裸の歌手も登場した。
フランスの極右政治家マリオン・マレシャル氏はX(旧ツイッター)で「フランス(全体)ではなく少数派の左翼の仕業です」と訴えた。
移民排斥を唱えるイタリアのサルビーニ副首相も「最悪のスタートだ」とXに書き込んだ。
フランス司教協議会は声明で「キリスト教徒を嘲笑する場面が含まれ、遺憾だ」と指摘。
同性愛者で開会式の芸術監督トマ・ジョリ氏は27日の記者会見で「嘲笑するつもりはなかった。愛のメッセージを送りたかった」と弁明した。