【パリ共同】パリ五輪のフェンシング女子サーブル個人で29日、ウクライナのオリガ・ハルランが銅メダルを獲得した。ロシアの侵攻を受けるウクライナにとり、今大会初のメダル。試合後、喜びを爆発させ「国と兵士、戦争で五輪に出られなかった仲間のために戦った」と語った。
自身5大会目の五輪。2008年の北京大会では団体で金メダル、12年のロンドン大会と16年のリオデジャネイロ大会では個人で銅メダルを獲得した実力者だ。しかし昨年7月の世界選手権で、ロシア出身のアンナ・スミルノワに勝利後、握手を拒否して失格となり、パリ五輪出場が危ぶまれた。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長の後押しで道が開けた。
3位決定戦では韓国のチェ・セビンにリードを許すも驚異的な粘りで終盤に逆転。勝利の瞬間、床にしゃがみ込み、歓喜の声を上げた。
共同通信の取材に対し「ウクライナを血で染めた国の選手と握手しないのは当然のことで後悔はしていない。世界に自分の思いを伝えられ誇りに思っている」と訴えた。