日銀は31日の金融政策決定会合で追加利上げを決めた。政策金利の無担保コール翌日物金利の誘導目標を0~0・1%程度から0・25%程度にする。国債購入額を月3兆円程度に半減することも決定。植田和男総裁は記者会見で、2%の物価安定目標の達成へ「見通しに沿って推移している」と述べた。外国為替市場の円相場は対ドルで一時1ドル=150円台に急伸した。住宅ローンや預金の金利上昇にもつながる重要な政策判断となる。
政策金利は物価や景気をコントロールするのに使う。3月のマイナス金利政策の解除に続く利上げで、リーマン・ショック直後の2008年12月以来、約16年ぶりの水準となる。植田氏は物価上昇率が想定通りなら「一段の調整があり得る」と、年内にさらに利上げする可能性を否定しなかった。日米の金利差縮小が意識され、歴史的な円安ドル高局面が転換する可能性がある。
植田氏は、円安による物価の上振れリスクも利上げを決めた理由に挙げた。個人消費の弱さを懸念する声には、利上げ幅は小さく「景気に大きなマイナスの影響は与えない」と述べた。