柔道は5階級を終え、日本女子のメダルは金1、銅1の計2個と苦戦している。東京五輪は6個、リオ五輪は5個で、過去2大会を下回ることが確定。チームには重い空気が漂う。
1日に重量級が始まったが、78キロ級の高山莉加は準々決勝で負け、敗者復活戦から進んだ3位決定戦で敗れた。
「非常に厳しい状況だ。前年の世界選手権で4階級を制したが、別のようなチームになっている」。増地克之監督は硬い表情で漏らした。
48キロ級の角田夏実の優勝で始まったが、52キロ級で2連覇を確実視された阿部詩が2回戦敗退。地力はメダル圏内の63キロ級、70キロ級も表彰台を逃した。
柔道大国フランスでの開催。増地監督は「欧州勢の目の色がかなり違う」と驚く。会場の熱気は普段の国際大会と比較にならないほど大きく、70キロ級で7位の新添左季は「気付いたら指導が二つ出ていた。頭が真っ白になった」とつぶやいた。
実業団関係者は、防御の隙を突かれた阿部詩に着目。五輪に全てを懸け、金メダル候補筆頭を徹底的にマークする海外勢の執念に対し、細部まで突き詰められなかったと指摘する。