農林水産省は2日、2024年上半期(1~6月)の農林水産物・食品の輸出額が前年同期比1・8%減の7013億円だったと発表した。減少は上半期として新型コロナウイルス禍で停滞した20年以来、4年ぶり。東京電力福島第1原発の処理水放出に反発する中国が日本の水産物の輸入を停止していることが響いた。
中国向けは43・8%減の784億円となった。ホタテは前年同期は223億円だったがゼロになった。政府は水産物の輸出先の開拓を進めており、米国やベトナム向けのホタテの輸出は増えた。ただ中国の減少分を補うことはできず、さらなる販路拡大が求められそうだ。
中国や香港向けの輸出は減少した一方、その他の国・地域の合計は14・3%増のプラスになった。外食需要や小売店の販売が堅調だったことに加え、円安により競争環境が和らぎ、多くの品目で輸出額が伸びた。
国別では、米国が19・9%増の1156億円と首位となった。ホタテや日本酒などが増加した。香港が10・5%減の1032億円と続いた。前年トップだった中国は3位に後退した。