【広州共同】パリ五輪のテニス混合ダブルスで初戦当日に即席で結成した中国ペアが銀メダルを獲得した。出場予定だった女子選手がシングルスで勝ち進んで疲労がたまり、混合ダブルスの欠場を決めたことで起きた珍事。中国では奇跡的な躍進と話題になった。
銀メダルを取ったのは張之臻と王欣瑜のペア。女子シングルス、ダブルスで敗退した王が7月30日に帰国の準備をしていたところ、出場できないかと代表チームから打診があり承諾、同日の初戦に出場した。帰国の航空券を探していたが、高額のため購入をやめた直後に連絡があった。
ラケットは持っていたが、パリ五輪で必要なクレーコート用シューズを既に捨てていたため、手持ちのハードコート用のシューズで出場した。
王は「各試合の勝利は望外の喜びだった」と話し、張は「戦術も何もなかった。試合に出られればそれで良かった。試合ができると分かり、ほっとした」と振り返った。
インターネットでは「無欲だったからこそ、得られた成果だ」などと称賛の声があふれた。