【パリ共同】セーヌ川の水質問題で揺れたパリ五輪のトライアスロンは5日、混合リレーを予定通り実施して全ての競技日程を終えた。水質との因果関係は明確でないが、レース後に体調を崩したケースもあり、選手の健康、安全に不安を残した一方、沿道は幾重にも人垣ができる大盛況。大都市で注目を集めて開催するリスクとメリットを浮き彫りにした。
晴れ渡ったこの日は午前8時の開始前から、大勢の観衆が殺到した。発着点のアレクサンドル3世橋付近では、国歌「ラマルセイエーズ」の大合唱。街灯によじ登ってフランス国旗を振る観客の姿もあり、濁った川と対照的な華やかさに包まれた。
金メダルを獲得したドイツのティム・ヘルウィヒは「水質はあまり気にしていない。延期に対応するのは確かに大変だったが、それも競技の一部。素晴らしい環境で、一生に一度の経験ができた」と語った。
トライアスロンは雨による水質悪化で、7月30日に予定していた男子を1日延期した。ベルギーは、女子選手が個人の競技後に体調を崩したとして、混合リレーを棄権した。