3年前の東京パラリンピック卓球女子シングルス(立位10)で銀メダルだった29歳のブルナ・アレシャンドレ(ブラジル)が念願の五輪出場を果たした。5日の団体1回戦の韓国戦でダブルスとシングルスの2試合に出場。いずれも敗れ、チームも敗退したが、場内から「ブルナ」コールを受けた。「夢を実現できた。特別な日になった」と感慨深げだった。
血栓症のため生後数カ月で右腕を切断。7歳で卓球を始めた。サーブは左手で握るラケットに球をのせてトスを上げる。より高速な健常者のプレーに対応するため、スケートボードに乗って平衡感覚を養ってきた。この日は格上相手に奮闘。素早い足運びから武器のフォアで得点につなげる場面があった。
卓球で五輪とパラに出場するのは、2008年北京大会から21年東京大会まで同時出場したナタリア・パルティカ(ポーランド)の例がある。ブラジルでパラ選手が五輪に出場するのは初のことだ。
今度は28日開幕のパリ・パラで金メダルを目指す。