太平洋戦争中の1944年、米軍が沖縄県内各地を爆撃し、600人以上が死亡した「10・10空襲」から10日で80年となるのを前に、被害の大きかった那覇市で5日、戦没者追悼式が営まれ、参列者が「平和の尊さを共有していく」と不戦の誓いを新たにした。甚大な被害を受けて、その後旧日本軍は戦闘方針を本土防衛に変更し、約半年後の沖縄戦へとつながった。
遺族や中学生ら約150人が参列。正午には黙とうをささげ、空襲や沖縄戦の犠牲者を悼んだ。遺族会の支部長を務める仲嶺盛雄さん(82)は「10・10空襲で那覇市は激しい戦闘に巻き込まれ、廃虚となった。再び戦争の惨禍が繰り返されないよう平和の尊さを共有していく」と述べた。
会場の旭ケ丘公園にある碑には、市出身の戦没者約3万人の名簿が奉納されている。市立城北中2年の宮里珠莉さん(13)は「平和が当たり前ではないことを忘れてはならない。戦争を世界からなくす方法を考え続けていきたい」と「平和のメッセージ」を朗読した。