子どもの体力は60年前より低下した―。スポーツ庁が13日公表した2023年度の体力・運動能力調査で、そんな傾向が浮かび上がった。1964年度と2023年度の10歳を比べると、身長と体重は男女とも23年度の方が大きかったものの、ボール投げや男子の50メートル走の成績は64年度が良かった。順天堂大の内藤久士教授(運動生理学)は「60年前の方が体は小さいが体力はあったのではないか」と分析した。
調査は今回が60回目。祖父母、親、孫の3世代の体力を比較するため、1964年度、1993年度、2023年度の10歳のデータを分析した。握力と50メートル走の成績は親世代が最も良く、ボール投げは祖父母世代、反復横跳びは孫世代が高いとの傾向が出た。
孫世代の身長は祖父母世代より男女とも5センチ程度高く、体重は5キロ以上重かった。握力は男子が60年前と今が同じで、女子は孫世代が高かったが、体重が数値に影響するため、内藤教授は「体のサイズを考えると低下のトレンドと言える」とした。