【ソウル共同】韓国ソウルの繁華街・梨泰院で2022年、日本人2人を含む159人が死亡した雑踏事故で、ソウル西部地裁は17日、安全対策を怠ったとして業務上過失致死傷罪に問われた金光浩元ソウル警察庁長官(60)に無罪判決を言い渡した。韓国メディアが報じた。
金氏は事故を巡り起訴された警察当局者の中では最高位。事故ではハロウィーンを前に集まった多くの若者が巻き込まれ、警察や行政の不手際が問題視された。
判決は警察の対応が国民の期待に及ばなかったとしながらも、金氏が内部報告から事故が起こる危険性を把握できなかったと指摘。事故発生後には人員派遣を指示しており「業務上の過失で被害が拡大したとはいえない」と結論付けた。
遺族らは判決に反発。地裁前で記者会見を開き「子どもたちは警察を信じて通報したのに十分な措置が取られず亡くなった。これで無罪になるなら、どこに通報すればいいのか」と訴えた。
同地裁は9月、業務上過失致死傷罪に問われた当時の地元警察署長に禁錮3年の実刑判決、行政区長には無罪をそれぞれ言い渡した。