【モスクワ共同】ロシアのプーチン大統領は23日、選択として子どもを持たない考え方「チャイルドフリー」をインターネットやメディア、映画、広告を通じて宣伝することを禁止する法律に署名した。人口減少を食い止め、大家族を奨励し、欧米由来とされる価値観を排除する狙い。
プーチン氏は近年、欧米とは異なるロシアの伝統的価値観を重視する発言を繰り返している。法律に賛同する議員らは、子どもを産むことに反対する考え方は人口減少を促し、ロシアを弱体化させる欧米の取り組みの一環だと主張していた。
違反した場合の罰金は最大で市民40万ルーブル(約60万円)、公職者80万ルーブル、法人500万ルーブルと規定された。
法律はマトビエンコ上院議長やウォロジン下院議長らプーチン氏に近い有力者が推進した。ウォロジン氏は今月の下院審議で「われわれは子どもが増える環境をつくる必要がある」と強調。一方、子どもを産まないという女性の選択自体を罰するものではないとした。