洋上風力発電事業を巡る汚職事件で、受託収賄の罪に問われた元衆院議員秋本真利被告(49)は25日、東京地裁の初公判で「受け取った金は賄賂には当たらない」として無罪を主張した。贈賄罪に問われた日本風力開発(東京)元社長の塚脇正幸被告(65)も「利益供与はない」と起訴内容を否認した。秋本被告は新型コロナウイルス対策の持続化給付金を詐取したとする詐欺罪については認めた。
秋本被告は罪状認否で、塚脇被告から受け取った現金は2人が共同で設立した競走馬の組合を通して、馬の購入費などに充てたと主張。「(洋上風力に関する)国会質問とは関係なく、賄賂には当たらない」と訴えた。
検察側の冒頭陳述によると、青森県の海域への事業参入を目指していた塚脇被告は、再生可能エネルギーの勉強会などで交流があった秋本被告に接近したと指摘。競走馬の馬主になることに興味があった秋本被告に資金面で援助する対価として、日本風力開発に有利な質問を請託(依頼)したとした。