大学生年代の子(19~22歳)を扶養する親の所得から一定額を差し引き税負担を軽くする「特定扶養控除」の年収要件緩和を巡り、高所得者への適用制限を設ける案が政府、与党内で浮上していることが28日、分かった。高所得者ほど控除の恩恵が大きくなることを踏まえ、要件の緩和に合わせ対象を絞る。
現行制度では、子の年収が103万円以下の場合に親の所得から63万円を控除する。政府、与党は子の年収要件を緩和し、103万円からの引き上げを検討している。子がアルバイトなどで103万円を超えて稼いでも、親の手取りが減らないようにし、人手不足の解消にもつなげる考えだ。
基礎控除や配偶者控除に所得制限がある一方、特定扶養控除にはない。基礎控除の所得制限は2020年分から導入された。所得が2400万円を超えると控除が段階的に減り、2500万円超でなくなる。政府、与党内では、所得税が生じる「年収103万円の壁」を引き上げた場合、基礎控除の減額を始める所得水準を2400万円超から引き下げる案も浮上している。