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黒沢清監督中編作品『Chime』恐怖と緊張感漂う第2弾予告映像解禁

07/30 12:20

  • 映画
『Chime』8月2日よりStrangerほか全国順次劇場上映(C)Roadstead

 黒沢清監督中編作品『Chime』が8月2日より東京・菊川のミニシアター「Stranger」ほかの劇場で順次上映開始となるのを前に、第2弾予告映像が解禁となった。

【動画】『Chime』第2弾予告映像

 同作は、新たな映像プラットフォーム「Roadstead」のサービスが4月から正式に始まったのにあわせ、オリジナル第1作として制作され、今年の「第74回ベルリン国際映画祭」ベルリナーレ・スペシャル部門に出品された。

 解禁となった予告映像は、不気味さと狂気をまとった主人公・松岡(吉岡睦雄)の表情が印象的で、恐怖と緊張感が漂っている。

 劇場上映開始日の2日にStrangerでプレミアトーク付き上映も決定。主演の吉岡、黒沢監督が登壇する予定。チケットは、31日午前0時より劇場ホームページで販売開始。劇場窓口では同日午前8時30分から。

■黒沢清監督ステートメント(全文)

 チャイムが鳴り、あなたはこれまでずっと続いていた何かが終わって次の何かが始まるその時が来たことを知る。心の中に不安と期待が同時に押し寄せるが、もう引き返すことはできない。あなたはそれを受け入れるしかないのだ。またチャイムが鳴り、あなたは戸口の外に誰かが立ったことを知る。その誰かがもたらすものが恐怖なのか祝福なのかは、ドアを開けてみるまでわからない。あなたはどうするか?何もしないでいると絶え間なくチャイムは鳴り続けるだろう。この映画は以上のような私の妄想から生まれた。とりたてたジャンル性も娯楽性も作家性も持たない、たった45分のむき出しの映画だ。

 私は、どこにでもいる平凡な中年男である主人公がチャイムによって突き動かされ常識と非常識のあいだを行き来する様を描いてみた。彼は終始不安だ。しかし確信もしている。この非常識こそが、彼をがんじがらめに縛り付けている現代社会のモラルや正義や良心の隙間からするりと抜け出すことのできる、一種の自由でもあるのだと。

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