土の中に放射性セシウムがあると、植物は栄養分と間違ってそれを吸収し、結果として汚染が起こってしまいます。
ただ、土の中にセシウムがあるからといって、どんどん根から植物に吸収されるわけではありません。ほとんどのセシウムは土にぴったりとくっついたり、土の中に完全に取り込まれたりしており、植物はその状態のセシウムを吸収することができません。
吸収するには、水にセシウムそのものが溶けているような状態でなければいけませんが、水そのものに溶けているセシウムは非常に少ないことが分かっています。
そのため、濁った水にセシウムが多少検出されても、それは土にぴったりとくっついたセシウムが水中にあるから濁っているだけ。根からは吸収できず、成長した農作物からセシウムを検出しないということが起こるのです。
砂質に比べ、粘土質の方がこのようなセシウムを吸着する力が強く、セシウムが移動しづらいことが言われています。このため、土の種類によっても農作物の汚染されやすさに違いが生じるのです。