震度6強の地震、15メートル超の津波で182人が死亡、行方不明となった。また、東京電力福島第1原発事故により、町民約2万1500人が全町避難した。
町は役場機能を二本松市に移し、各地に散らばった町民の対応に当たった。町内では除染やインフラ復旧などが進められ、2017(平成29)年3月末、帰還困難区域を除く地域で避難指示が解除された。
18年4月、なみえ創成小・中学校や認定こども園が開設され、約7年ぶりに子どもたちの元気な姿が戻った。19年7月には町唯一のスーパー「イオン浪江店」が開店するなど、徐々に住民の生活環境が整った。
世界最大級の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」が20年3月に開所したことに伴い水素を利活用した持続可能な町づくりが進められている。
1月末現在、町内の居住者数は1579人で、震災前の1割未満。農業や漁業の再生、JR浪江駅前の中心市街地の再開発など、課題が山積している。