東京電力は22日、福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出し作業に着手する。デブリ取り出しは第1原発の廃炉の最難関とされ、1~3号機に残る推計約880トンとされるデブリの大規模な取り出しに向けた第一歩となる。約2週間かけて3グラム以下のデブリを採取し、その後に成分を調べて今後の廃炉作業に生かす。
東電によると、22日午前6時ごろから取り出しに使う伸縮式のパイプ型機器を原子炉格納容器側面の貫通部に向けて徐々に挿入する。格納容器から出る放射性物質を遮断するため設置した貫通部手前の「隔離弁」を通過した際に作業着手となる。2時間ほどで約2メートル先にある隔離弁を通過するとみられる。
東電は21日、機器の最終的な点検や作業手順の確認などを行い、22日に着手できると判断した。担当者は「周辺環境に影響を与えないよう、安全、慎重に行う」と述べた。試験的取り出しは当初、21年に作業を始める予定だったが、3度にわたって延期されていた。