はた目にはすみにくそうな場所に根を張る姿と、わが身の境遇を重ね合わせるからだろうか。コンクリートのわずかな隙間で花や実を付ける「ど根性植物」を見かけると、つい頑張れよと応援したくなってしまう
▼よりによって、なぜこんなところにと、当の植物に素朴な疑問をぶつけてみたい。どっこい、厳しい生存競争を勝ち抜く必要はないし、意外にすみやすくて快適ですよ―。勝手な心配をよそに、会話を交わせたとしたら、こんな言葉が返ってくるのかもしれない
▼はるばる海を越えるなどして、新天地に根を下ろすのが外来種。古くは稲、トマトやトウモロコシなどの野菜もそうで、私たちは日々、その恩恵にあずかっている。ただ全てが役に立っているわけではなく、特に被害が大きい種は、特定外来種として防除が必要だ
▼世界で最悪の侵略的植物ともいわれ、繁殖力が非常に強い「ナガエツルノゲイトウ」が東北で初めて、県内で確認された。茎や根から増殖し、茎は切れやすく水に浮くため、用水や河川から拡散していく
▼新たな居場所を見つけて、しめしめと思っているのかもしれないが、そうはいかない。手強い相手だが、招かれざる客には速やかに退場願いたい。