小太りでおしゃれとはほど遠い。いくぶん痩せたものの、腹は相変わらず出っ張り、いかにもくたびれたサラリーマン…。さんざんな言われようだが、実は難事件を解決するスーパー中年刑事
▼本紙で連載中の小説「柩(ひつぎ)の狩人」の主人公、佐江(さえ)はきょうも事件の真相を追う。足を使って関係先を聞き込み捜査しており、相当なハードワークのはず。なのに、なぜか腹はへこまない
▼「狩人」シリーズの前作「冬の狩人」にヒントがあった。同僚刑事によると、佐江は行きつけの中華料理店で週に3回はチャーシューメンを食べる。捜査の途中には石焼きビビンバ、チャーハン、ギョーザ、とんかつなど栄養たっぷりの食事を取っていた
▼人間の体には慢性のストレスで脂肪をため込む性質があるという。佐江も大変なストレスを抱えているのだろう。気の毒だが、事件から解放されない限り、腹回りは細くならないかも
▼国の調査によると、メタボリック症候群に該当した県民の割合は19.5%で、全国ワースト4位。佐江を笑えない。ようやく気温が落ち着き、過ごしやすくなってきた。適度な運動、健康によい食事に加え、働き方を変えてみる。「ストレス軽減の秋」を楽しみませんか。