昭和村小野川の山中で1日に遺体で見つかった会津若松市の会社員男性(48)について、会津坂下署は3日、男性の死因がクマに襲われた傷を起因とした低体温症だった疑いがあると発表した。同署はクマによる被害の可能性が高いとみている。
同署によると、男性はクマにかまれた傷が原因で大量に出血し、体温を維持することができずに死亡したとみられる。男性は発見当時、体に動物による外傷が多数ある状態で死亡していた。県警によると、クマによる被害で、犠牲者が出たのは2022年7月に会津若松市で農作業中の女性がクマに襲われて死亡して以来。
過去最多の目撃ペース
県警が通報などで認知した今年1~9月のクマの目撃件数は前年同期比67件増の578件で、統計を開始した2008年以降、過去最多ペースで推移していることが3日、県警への取材で分かった。これまでの最多は23年の687件。
近年の県内の目撃件数と人身被害の推移は【表】の通り。今年の人身被害は9月末現在、7人減の6人。昨年の軽傷14人に比べて人数は少ないものの、今年は死者1人、重傷3人と被害の程度が大きい。
県は11月30日まで、中通りと会津を対象にツキノワグマ出没注意報を発令し、注意喚起を図っている。