石破茂首相は4日、就任後初めての所信表明演説を衆参両院本会議で行った。
石破首相は所信表明演説で、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興を巡り「被災者の生活や産業、なりわいの再建に全力で取り組む」と強調した。
第1原発にたまる処理水の海洋放出を受け、一部の国・地域が日本産水産物の輸入停止を続ける現状について「あらゆる機会を捉えて即時撤廃を強く求める」と訴えた。海洋放出で影響を受ける水産物の国内需要の拡大や新たな輸出先の開拓に取り組むとし「水産業のさらなる発展のために政府として責任を持って支援を行う」と表明した。震災後の政権が掲げ続けた「福島の復興なくして日本の再生なし」の姿勢は継承する考えを示した。
かねて必要性を訴えてきた防災庁については、事前防災の徹底に向け設置準備を進めると言明。震災と原発事故でも重大な課題となった災害関連死を防ぐため「避難所の在り方を見直す」と言及、発災後速やかにトイレやキッチンカー、ベッド、風呂を配備するための官民連携体制を構築するとした。