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会津漆器「青光塗」を再現 途絶えた製造復活へ研究、試作品公開

2025/09/20 11:30

公開された青光塗の試作品

 福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター(会津若松市)は、製造が途絶えていた深い緑色が特徴の会津漆器「青光塗(せいこうぬり)」を入手可能な材料で再現した。試作品が19日、同センターで公開された。

 深い緑色の漆器は、一般的に「青漆(せいしつ)」と呼ばれ、江戸~明治時代に全国各地で製造されていた。会津地域では青光塗として親しまれていたが、製法を受け継ぐ職人がいなかったことから製造が途絶えていた。

 同センターは2023年度から再現に向けた研究を開始し、特有の緑色がヒ素の硫化鉱物「石黄」と染め物に使う藍を漆に混ぜ合わせて作られたと特定した。しかし、石黄などは入手が困難で扱いづらいため、現在でも手に入る材料で再現を試みた。佐藤佑香研究員(25)は「顔料の適切な配合を考えることに苦労した」と振り返る。

 同センターは今後、再現した青光塗の製法を職人に公開し、商品化につなげる方針だ。

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