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市町村にクマ専門家派遣 箱わな、撃退スプレー提供 福島県が緊急対策

2025/10/25 11:00

 福島県内でクマの目撃や人身被害が相次いでいることを受け、県は24日、市町村への専門家派遣や箱わな、撃退スプレーといった対策用品の提供を柱とした緊急対策を発表した。効果的な対策の指導や環境整備に加え、捕獲などの技術的支援や情報発信の強化でクマ被害の拡大防止を図る。

 主な事業は【表】の通り。クマ対策を専門とする職員がいない市町村や、出没件数の多い市町村を中心に専門家を派遣。河川敷やクマが好む柿の木がある場所など出没の危険性が高い場所を点検し、必要に応じて草木の刈り払いなどを実施する。また花火や爆竹を使った追い払いを安全にできるよう、地域住民を指導する。市街地への出没など緊急時にも専門家を派遣し、緊急銃猟を含めた市町村による対応を支援する考えだ。

 また箱わな、撃退スプレーなどの対策用品を市町村に貸し出すことで負担軽減を図る。11月末まで各地方振興局の鳥獣保護管理員や県職員によるパトロールを強化し、出没の危険性が高い場所の把握にも努める。新聞広告などを活用し、県民に対する注意喚起も促す方針だ。内堀雅雄知事は24日、事業費2900万円を計上した本年度一般会計補正予算を専決処分した。

 県によると、本年度のクマの目撃件数は15日現在で1038件となり、これまでで最も多かった2023年度(709件)の約1.5倍に上る。人身被害は24日現在で17人に達し、過去最多だった23年度の15人を上回っている。

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