夏場に子どもが自動車の中に置き去りにされ、命を落とす事故が毎年のように起きている。北九州市では昨年8月、大型スーパーの屋外駐車場の車内に置き去りにされた0歳児が死亡。幼い命を守ろうと、市や事業者が対策に取り組んでいる。
「小さなお子さまは体温調整機能が未発達です」。福岡県を中心に九州・中国地方にスーパーを展開する「サンリブ」(北九州市)は店内放送で、子どもの車内放置防止を呼びかけている。
アナウンスを担当したのは、県立小倉商業高の生徒だ。放送は北九州市がサンリブに持ちかけた。大人の声ではない方が注意を引けると考え、市は地域活動に積極的な同高に協力を打診。原稿も生徒たちが考えた。
3年の小林悠理さんは「自分の声が一件でも事故を減らすきっかけになれば」と話す。
同市門司区のパチンコ店「アリーナ門司店」では1時間に1回、警備員や従業員が駐車場を見回っている。同店主任の梅野誠さんは「見る人を変えることで視野が広がり、気付けることも増える」と言う。店内には啓発ポスターも張っている。