官公庁の制服製造を手がける岡山県倉敷市の「大和被服」が、消防隊員の使用済み防火服を引き取り、防災頭巾やかばんといった商品に再生している。防火服は捨てるのに費用がかかり、悩みの種だった。防水で燃えにくい素材の特性を生かし、子ども向けを中心に作っている。
今年の商品は、岡山県内の消防5団体と鳥取県の1団体の防火服など計約400着から製作。かばんやポーチのほか、表は防火、裏は防水のレジャーシートなどを6月中旬に自社サイトで発売した。レジャーシートは小サイズで3630円。
防火服は耐用年数が5~7年とされる。燃えにくいアラミド繊維を使い、防水にも優れる。だが廃棄費用がかかり、倉庫に積み上げられているケースもあるという。
2021年、大和被服の納入先である岡山市消防局から「新しい防火服に替えるのに伴い廃棄服が大量に出る」と相談を受けたことがきっかけとなった。障害のある小学生らに防災頭巾を作って寄付した。
反響は大きく、23年に商品化。その後、調達先が増えて、今年は計6団体になった。