沖縄、23日に「慰霊の日」 終結79年、防衛強化に懸念

06/23 00:04

 「慰霊の日」を前に、沖縄戦犠牲者の氏名が刻まれた「平和の礎」を訪れ、手を合わせる遺族=22日午後、沖縄県糸満市の平和祈念公園

 沖縄県は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦で旧日本軍の組織的戦闘が終結したとされる日から79年の「慰霊の日」を迎えた。政府は台湾有事などを念頭に防衛力を強化しており、県民の4人に1人が犠牲となった凄惨な地上戦の記憶と重ね、懸念する県民は多い。最後の激戦地となった沖縄本島南部の糸満市では22日、日米の犠牲者計約20万人を悼む沖縄全戦没者追悼式の前夜祭が開かれ、参列者は「平和な社会であってほしい」と願った。

 米軍は1945年3月に沖縄・慶良間諸島、4月には本島へ上陸した。南西諸島の防衛を担う日本軍第32軍は5月下旬、拠点の首里(那覇市)から南部へ撤退を決定。南部にいた多くの住民が巻き込まれた。民間人の死者は推計約9万4千人で、9万4千人強だったとされる日本軍の兵士などの死者と同規模の住民らが犠牲となった。

 前夜祭は糸満市摩文仁の平和祈念公園で開かれ、鐘の音が響く中、約250人が黙とうをささげた。夜には犠牲者を悼み、サーチライトによる白い光線「平和の光の柱」が空に照射された。

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