沖縄県は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦で命を落とした日米双方の約20万人をしのぶ「慰霊の日」を迎えた。旧日本軍による組織的戦闘が終わった日とされ、今年で79年。最後の激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園で、不戦を誓い、恒久平和を願う沖縄全戦没者追悼式(県など主催)が営まれる。式には岸田文雄首相や玉城デニー知事らが参列。
政府は台湾有事などを念頭に、沖縄を含む南西諸島での防衛力強化を続けており、今年3月には陸地から艦艇を狙う地対艦ミサイル部隊を沖縄本島に初めて配備。戦時の記憶と重ね、懸念を深める県民は多い。
国籍や軍民を問わず、戦没者の氏名を刻んだ公園内の石碑「平和の礎」には今年新たに181人が追加され、計24万2225人となった。
沖縄戦は多くの住民を巻き込んだ熾烈な地上戦により、県民の4人に1人が犠牲になった。米国は戦後の統治下、多数の基地を整備。沖縄県内には今なお、国内にある米軍専用施設の面積の約7割が集中し、米軍が絡む事件や事故が相次ぐ。