【カイロ共同】サウジアラビアのジャラジル保健相は23日、地元テレビで、イスラム教最大の聖地、サウジ西部メッカで14~19日に行われた大巡礼(ハッジ)中の死者が1301人に達したと公表した。多くは酷暑による熱中症が原因だとみられている。ジャラジル氏は、死者のうち8割が当局からの正式許可を受けず、無登録で巡礼に参加していたと説明した。
ロイター通信によると、サウジ当局は無登録者に対して医療サービスを提供していない。当局の取り締まりを逃れるため、砂漠を歩いて移動する無登録者もいるという。ジャラジル氏は「無登録者は炎天下、休憩を取らずに長距離を徒歩で移動していた」と指摘した。
死者の約半数をエジプト人が占めるとみられ、ロイターによると、少なくとも672人が死亡。インドネシア人とインド人の死者もそれぞれ236人と98人に上った。
ハッジはイスラム教徒の五つの義務「五行」の一つ。財力と体力のある人は生涯に1度行うことが求められる。サウジ巡礼省によると、今年は国内外から180万人以上が参加した。