和歌山県新宮市の世界遺産・熊野速玉大社で3日、無病息災などを願う「扇立祭」が始まるのを前に、神前に供える「檜扇」7本が虫干しのため蔵出しされた。
大社は室町時代のものとされる国宝の檜扇11本を保管。祭りでは損傷させないよう1964年に作られた複製品を使う。薄いヒノキの板に松竹梅やシラサギなどが描かれ、金箔や銀箔も施されている。本殿前に高さ1・5メートル、幅1・65メートルの扇を1本、社殿6カ所には高さ80センチ、幅1・3メートルの扇を1本ずつ立てる。
神職の浜中孝成さん(48)は「猛暑の夏。扇で涼しさを感じてもらい、疫病を払ってほしいとの願いを込めた」と話した。