能登半島地震に見舞われた石川県・能登地方の各地で開催されてきた「キリコ祭り」について、県が5月末時点の開催見通しを調査したところ、75%が「未定」と回答したことが4日、県などへの取材で分かった。神事のみ実施か中止も1割弱に上る。今月からの開催時期を控え、長年地域住民のよりどころとなってきた祭りの開催に、復旧の遅れが大きく影を落とす現状が浮き彫りになった。
県は5月末時点の状況を能登6市町に調査。対象とした232の祭りのうち、実際にキリコを出し巡行・展示を予定しているのが11。神事のみか中止が22、174が未定だった。そのほかは回答が得られなかった。
珠洲市によると、未定のうち、例年9月に開催される「蛸島キリコ祭り」「正院キリコ祭り」は、キリコの損傷や担ぎ手不足などで見通しが立たないという。
例年7月20日ごろ開かれる珠洲市の「飯田町燈籠山祭り」は神事のみ。住宅再建も進まない現状を考慮してキリコを巡行しないよう呼びかけ、和紙の人形が飾り付けられる山車「燈籠山」も組み立てない。