【ニューヨーク共同】ロイター通信は27日までに、米半導体大手エヌビディアが、米政府の対中輸出規制により制限された半導体「H20」に代わる安価な半導体を中国市場向けに投入すると報じた。早ければ6月にも量産を開始する見通しで、中国でのシェア低下を食い止める狙いとみられる。
関係者の話として伝えた。中国向け半導体は、新型の人工知能(AI)向け半導体「ブラックウェル」の設計に基づいており、価格は6500~8千ドル(約94万~115万円)とH20よりも性能を落とすなどし、3割ほど安く設定する見通し。
軍事転用への懸念からバイデン前米政権は先端半導体の対中輸出規制を強化。このため中国市場を重視するエヌビディアは、性能を落としたH20を設計して規制を逃れてきたが、今回はH20が対象となったため、さらに性能を簡素化した半導体を投入するという。
エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は、米政権による対中輸出規制後、中国でのAI向け半導体製品のシェアが急落したと明らかにしている。